ここ最近世間を騒がせている恐るべき病気、「はしか」。春先から全国に患者が増え、各メディアも注意喚起するなど感染拡大の防止のために呼びかけています。

はしかは、日本国内では毎年推計で10-20万人もかかる人がいて、毎年死亡例が発生しているそう。さらに悲しいのが、世界での2015年の5歳以下の小児の死亡数推計によれば、麻疹による死亡は全体の1.2%をも占めているというデータです。(※1)

他の病気に比べて致死率が高いだけでなく、合併症や後遺障害にも注意が必要といわれるはしか。いったいどんな病気なのか、調べてみました。

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1.はしかって何? どうやってうつるの?

「はしか」とは「ましん(麻疹)」とも呼ばれる、ウイルスによっておこる感染症のこと。とても感染力の強い病気で、はしかの免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています。

冬場に流行するインフルエンザでは、大体感染する人が1~2人程度だそうなので、比較してみるとその感染力の強さをおわかりいただけると思います。(※2)

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2.どんな症状が出るの?

まず、初期症状として、発熱や咳、鼻水、目の充血や目やに等普通の風邪によく似た症状が表れます。これらの症状が数日続いたあと、一旦下がるかの様に見えた発熱が一気に高熱となり発疹が出始めます。この頃に口の中を確認すると、白い粘膜疹が現れています。

この病気では、感染はしても発症しない(=症状がでない)ことはほとんどなく、感染した90%以上の人が発症します。この感染力が最も強いのは、発疹出現前の初期症状の時期といわれています。(※2)(※3)

 

はしかは、一度発症してしまうと有効な薬がありません。対処療法でよくなるのを待つのみで、年齢を問わず重症化する危険があります。

また、かかってしまった患者の約30%に肺炎・中耳炎・脳炎などの合併症が見られたり、確率は大変低いものの、脳炎を発症したうちの20~40%には中枢神経系の後遺症が残るなど、決しておろそかにはできない病気です。(※4)

 

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3.どうやって防げばいいの?

一度典型的なはしかを発症した人は、通常は生涯にわたる免疫(終生免疫)が獲得され、再びはしかを発症することはないそうです。(※5)

今まではしかにかかったことはない! という人は特にご用心。はしかのウイルスは大変小さく空気感染もするので、手洗いやマスクでの予防は期待できません。

 

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有効な予防法として挙げられるのは、やはり予防接種ワクチン。

はしか含有ワクチン(主に接種されているのは麻疹風疹混合ワクチンで、MRとも呼ばれます)を接種することによって、95%以上の人がはしかのウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。ただ、予防接種は、一度で十分な免疫が獲得できるとは限らず、ワクチンを一回接種しても、数%程度の人には十分な免疫がつかないことが知られています。(※6)

さらに、幼少時にワクチンを1回のみ接種していた20代後半から40代前半の人(※7)は免疫が強化されておらず、時間の経過とともに免疫が徐々に弱まってきている人もいるそうですので、「子どもの時に予防接種しているから安心ね」と思い込むのも危険。
できれば、複数にわたり予防接種を行って予防力を高めておきたいですね。

 

4.早めの予防接種が命を救う!

2016年現在、日本では1歳と小学校就学前の1年間の2回に分けて、ワクチンの予防接種を呼びかけています。

小児科で「1歳になったらまずは麻疹風疹の予防接種をしようね」と言われたり、病児保育で「1歳になったお子さんは、麻疹風疹の予防接種をしていないと預かれません」といわれることもあり啓蒙が進んでいますが、もしもまだ予防接種をされていないお子さんがいらっしゃいましたら、なるべく早めの予防接種を行うと安心です。

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5.大人も危険! なるべく予防接種を受けよう

はしかは、予防接種を受けていなければ、あるいは予防接種の免疫が薄くなれば、大人も子どもも関係なく発症する病気。子どもの時に予防接種を受けただけだと、その免疫が弱体化している恐れがあります。

特に妊娠中にはしかにかかってしまうと、自然流産や早産などのリスクもあります。できれば、子どものときに一度予防接種したきりの方は、もう一度接種しておきたいところです。

3.の「どうやって防げばいいの?」でご説明したとおり、現在はしかの予防接種は風疹を合わせた麻疹風疹ワクチンが主なものとなっています。
自治体によっては麻疹風疹の予防接種に一部ないし全額助成をしているところがありますので、ぜひ調べてみてくださいね。

 

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6.最後に

長くなってしまいましたが、今日ははしかの脅威についてご紹介しました。

かかってしまった方の早期回復を祈るとともに、この病気の流行が早く収束してくれるのを願うばかりです。
新学期もまだ始まったばかり、どうかみんなが病気にかかることなく、日々楽しく平和に過ごせますように。

※はしかについては、以下のページでもご紹介しています。

国立感染症研究所 麻疹のページ
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html

また、以下のサイトで簡単なはしかについてのチェックができますよ。
http://medical.itp.ne.jp/shoujou-chekku/kodomo/hashika/

 

気になる症状のある方はこちらのチェックで終わらせるだけでなく、医師にご相談いただき専門的な診断を受けるようにしてくださいね。

 

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カテゴリー>しつけに役立つ

 

 

引用元一覧

(※1)国立感染症研究所「麻疹の現状と今後の麻疹対策について」
(※2)国立感染症研究所「Q1-[1]:麻疹はどのように感染しますか?」
(※3)NIID国立感染症研究所「推定感染地域が共通の場所と考えられた麻しん報告例について」
(※4)国立感染症研究所「Q1-[4]:麻疹では合併症を起こすことも多いと聞きました。麻疹の合併症にはどのようなものがありますか。」
(※5)国立感染症研究所「Q3-[3]:子どものときに麻疹にかかりました。麻疹にかかったことがあっても、ワクチンを接種した方が良いでしょうか?」
(※6)厚生労働省「麻しん(はしか)に関するQ&A Q.1 なぜ、平成19・20年に10代から20代の人を中心に流行したのですか?」
(※7)実は恐ろしい「はしか」患者が増加。“免疫空白”の27~40歳は要注意! ホウドウキョク

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